新潟県立新潟よつば学園
校長 岡村 浩之
~ 新潟よつば学園 2年目の挑戦が始まりました ~
もう教育部門(視覚障害)、ろう教育部門(聴覚障害)、自立教育部門(知的障害)の3部門の子どもが通う総合支援学校として誕生した「新潟よつば学園」は2年目を迎えました。
当校の校舎の特徴は、「障害別に分ける」部分と「障害種を超えた交流」を生み出す部分が混在していることです。それぞれの障害に応じた学習は、中央廊下から分かれた部門棟で、統合前と同じように行っています。登下校時や休み時間には3つの広場や廊下、体育館等で自然な交流も多く見られます。ゆっくり歩いたり、道を譲ったり、名前を言ってから挨拶したり、手話も交えて挨拶したりする子どもたちには、優しさと頼もしさを感じています。
教育活動では、学校行事を部門別にするのではなく一緒に実施するようにしました。入学式、卒業式、体育祭、文化祭、避難訓練等、職員は担当する部門以外の子どもの障害特性を配慮した計画を立て取り組んでくれました。このことは、直接担当しない職員が、視覚障害、聴覚障害、知的障害を自ら学ぶことに繋がっています。このような環境の中で、昨年度冬にはもう部門の生徒から、「みんなで楽しい行事がしたい」と、生徒会主催のお楽しみ会を開催してくれました。グループで各教室にあるクイズを解くというゲームです。問題文章と答えの選択肢には点字と指文字も併記されていました。多くの友達と楽しい時間を過ごした子どもたちでした。
今年度は5月に、高等部の修学旅行を実施しました。もう教育部門と自立教育部門合同です。活動グループ、宿泊の部屋割りも部門別ではなく一緒に編成しました。もう教育部門の生徒は男子2人、女子1人です。この3人が、15人の自立教育部門の生徒の中で楽しい時間を過ごすことができるか心配もありました。しかし、お互いに声を掛け、楽しそうに同じ活動をしていました。歩くときには周りがどんな状況になっているのかを伝えてくれる生徒もいました。もう教育部門の3人も積極的に話し掛け同じ学年の友達と楽しんでくれました。たくさんの思い出と友達ができた3日間でした。
新潟よつば学園2年目の挑戦は、それぞれの学部、部門の専門性の高い教育の提供と、部門間の学習も含めた交流を一層充実させることです。このことを目指し教育活動に取り組むことが、新潟盲学校と新潟聾学校を統合し誕生した当校の使命と考えております。
今年度もよろしくお願いいたします。